施術が終わったあと、
彼女はしばらく静かに目を閉じたまま、
大きく深呼吸をしていました。
「……久しぶりに、何も考えなくていい時間でした」
そう言って、少し照れたように微笑まれたのが印象的でした。
40歳。
結婚して17年。
高校生と中学生のお子さんを育てながら、
日々を忙しく過ごしてこられた女性です。
施術中、特別な会話をたくさんしたわけではありません。
ただ、急がず、無理をさせず、
その時々の呼吸や反応を大切にしながら進めていきました。
途中で、彼女がふとこんな言葉をこぼしました。
「安心できたからなのか、
こんなに感じることができるんですね…」
長い間、
“女性として触れられる感覚”を、
どこか遠いものとして心の奥にしまっていたのかもしれません。
施術後に感想を伺うと、
快感や刺激についてよりも、
こんな言葉が多く返ってきました。
・身体の力が抜けた
・頭の中が静かになった
・自分に戻れた感じがした
「何かをしてもらった」というより、
「何もしなくていい時間を過ごせた」
そんな感覚だったように思います。
性感マッサージに来られる方の多くは、
何かを求めているようでいて、
実は「求めることを休みたい」だけなのかもしれません。
妻として、母として、
家庭の中で役割を果たし続けてきた女性が、
ほんのひととき、
誰の期待にも応えなくていい時間。
その時間が、
心と身体をゆっくり整えてくれることもあります。
私は、施術を通して
何かを変えたいわけではありません。
ただ、
「このままで大丈夫かもしれない」
そう思える感覚を、
そっと持ち帰ってもらえたらいいなと思っています。


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