仕事はできる人なんだと思う。
話し方は落ち着いていて、言葉も丁寧。どこか「崩したくない」空気があった。
最初に簡単なカウンセリングをした。
不安なこと、触れられて困ること、今日はどこまでがOKか。
その確認だけは、こちらも曖昧にしない。
少し迷うような間があって、彼女は小さな声で答えてくれた。
「男性経験、ないんです」
「…でも、ちゃんと経験してみたい気持ちはあります」
恥ずかしそうに目をそらしながら、それでも言葉を濁さなかった。
強がりがちな人が、こういうことを口にするのは簡単じゃない。
だからこそ、急がない。無理をさせない。
彼女の“勇気”を軽く扱わないことが一番大事だと思った。
まずはマッサージから。
肌に触れる前に呼吸を整えて、体の緊張をほどいていく。
初めての相手ほど、こちらが焦ると一気に怖くなる。
だから、反応をよく見て、表情と呼吸を観察しながら進めた。
触れ方を変えるたびに、必ず言葉で確認する。
「このくらいは大丈夫?」
「違和感あったら止めるから、遠慮なく言ってね」
彼女は「大丈夫です」と頷きながらも、最初は全身が硬かった。
でも、時間をかけてほぐしていくうちに、肩が落ちて、手の力が抜けていく。
“安心”が入った瞬間、身体の反応はちゃんと変わる。
焦らなくていい。
受け入れ態勢ができるまで待つ。
それが整ったときにだけ、次へ進む。
こちらは“最後まで”を目的にしない。
でも彼女が、同意のうえで「進みたい」と思える状態になったなら、
その気持ちを尊重する。
確認を重ねて、無理のない流れの中で、最後まで。
終わったあと、彼女はゆっくり息を吐いて、ぽつりと言った。
「…思ったより痛くなかったです」
その言い方が、少し驚いているみたいで、
同時に安心したようでもあった。
途中から、声の出し方も少し変わっていた。
最初は緊張を隠すように静かだったのに、
ふとした瞬間に、抑えきれない反応が漏れる。
大きな快感ではないけれど、
確かに“気持ちよさ”が混ざった声だった。
身支度を整えているとき、
彼女は特別なことは何も言わなかった。
「また来たいです」とも、
「すごく良かったです」とも言わない。
ただ、来たときより表情がやわらかくて、
視線を上げて「ありがとうございました」と言った。
それで十分だと思った。
言葉にしなくても、
ちゃんと“ひとつ越えた”のは伝わってきたから。
▶ 経験が少ない方へ:**「処女や経験が少ない方へ──安心して委ねられる優しいスキンシップ」**も参考にしてください。


コメント